第27回 ありんこ保育研究会

2021年05月31日(月) ありんこ保育研究会

ありんこ親子保育園と、ありんこの森保育園の合同で、
園内研修として、年に数回、「ありんこ保育研究会」を行っています。

ありんこ保育研究会が始まって5年になりました。
今日は、第27回目の研究会です。

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まずは、各クラス担任が、今年度のクラスの状況や目標を発表しました。

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続いて、各園による「保育活動の三本柱」について、説明をしました。

「ありんこ親子保育園 保育活動の三本柱」
  体力・運動   
  表現・演技
  制作・造形

「ありんこの森保育園 保育活動の三本柱」
  とことん遊ぶ
  個性が輝く
  創造が広がる

こちらは、各園で今年度目標にしているものですが、
ありんこ保育研究会の中で、保育者たちが話し合って決めたものです。

目標を掲げても、うまくいくときもあれば、
試行錯誤しても上手くまとまらないときもあります。
子どもたちの声を拾って保育に繋げることは、簡単なようでとても難しいのです。
バラバラの考えを持つ子どもたちをまとめる保育者の力量が必要です。

子どもの主体性を尊重することは、自由に何でもやっていいということではなく、
保育者自身も主体性を持って導き、それには必ず意図がなければなりません。
そのための目標なのですね。

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続きまして、今日のメインテーマ「ことばと表現力を育む」です。
ありんこ親子保育園では、毎月、こどものとも月刊絵本(物語、科学の絵本など)を
クラスごとに購入しています。
その他、毎月図書館でも60~100冊ほど借りて読んでいます。

絵本の種類はどんなものがあるのかを確認しました。

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次に、「ことばと表現力を育む 児童文化」から抜粋して学習しました。 

その一例をご紹介します。

子どもに本を読み聞かせる意味とは?

①大好きな人と過ごすひととき
 子どもにとっては本そのものも楽しいでしょうが、大好きな人が自分のために気持ちを向けてくれている、うれしい時間です。子どもは耳に聞こえる言葉を小さな心と身体で吸収しようとしています。大好きな人の温かな声で本を読んでもらうことは、子どもたちの大きな喜びでもあり、自分に注がれている愛情を感じるときでもあります。クラスの子どもたち一人一人のことを思いながら本を選び読み聞かせることは、「あなたは大切な存在だよ」というメッセージを伝えることにほかなりません。

②本は子どもにとって、一つの体験
 本を読み聞かせてもらうとき、子どもたちはただじっと座って動きません。しかし読み聞かせの声に耳を澄ませ、絵に見入っている眼は輝いています。物語の展開によって、喜怒哀楽などの感情がわき起こっている様子です。ワクワク、ドキドキと心がおどるような興奮、思わず涙がポタンと落ちてしまうような寂しさ…さまざまな経験が広がります。子どもたちはただ静かに座っているように見えますが、心のなかでは本の場面に入り込み、五感を働かせて一つの体験をしているのでしょう。

③想像力を湯中に育む
 子どもたちは絵本を読み聞かせてもらうことによって、想像力を豊かに働かせています。聞こえてくる声と見えている絵を手がかりに、糸をつむぐように心に物語をつくりだしているのではないでしょうか。
 子どもは想像の世界で遊ぶのが得意です。想像と現実との境界線があいまいなために、ウソと受け取られてしまうこともあります。しかし、この想像世界はけっして現実逃避などではありません。子どもは本を読んでもらいながら「行ってきます」と想像の世界に旅立ち、しっかり遊んだあと、かならずこの現実の世界に「ただいま」と帰ってきます。想像世界に行って心の葛藤や得体のしれない気持ちを浄化させ、現実世界でしっかりと地に足をつめて生きるエネルギーを得ているのかもしれません。現実の厳しさを力強く乗り越えるためにも、子どもには創造の世界が必要なのです。

④言葉の美しさや楽しさを知る
 絵本や童話の読み聞かせは豊かな言葉の体験でもあります。子どもの言葉の獲得を促すことは確かでしょう。しかし、早く言葉を覚え、語彙を増やすことを目的に、勉強のように本を読み聞かせることには問題があります。日常の言葉かけや、楽しく本を読んでもらうこと、歌をうたってもらうことも「言葉の体験」です。
 子どもは自分に語りかけられる言葉や周囲にある言葉を聴いて、それをまねることからはじまり、身近な人々との言葉のやりとりを通して言葉を獲得していきます。本を読んでもらううちに、いろいろな言葉の響き(声)から美しさ、ユーモア、また怖さ、悲しさなど複雑な感情や微妙なニュアンスに気づいていきます。日常生活で使う言葉は単調になってしまいがちですが、本との出会いによって言葉への感性が磨かれていくことでしょう。

⑤読書のはじまり
 乳幼児期の子どもは読み聞かせによってはじめて本と出合います。それは読書のはじまりとも言えます。私たちが本を読むのは、本のなかに自分が知らない新たな景色が広がっている-知らない国に冒険に行ける、いろいろな人と出会うことができる、つまり未知の世界に船出をすることができるからです。子どもたちに「本って楽しいなぁ」と感じられる読み聞かせをしてあげてください。
「知りたい!見たい!」という子どもの健やかな知的好奇心をのびやかな育むためにも、絵本や童話を出発点にして読書の楽しみへと繋がってほしいと願います。本のなかに新しい世界があることを見出した子どもは、生涯にわたって本と友達でいることができるでしょう。

~「ことばと表現力を育む 児童文化」(萌文書林)より出典~

それでは、実際に絵本の読み聞かせをやってみましょう。

ペアになって「絵本の読み合い」を行います。
各自、読み聞かせしたい絵本を持参していますので、
相手の人に絵本の読み聞かせをします。


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デッキやお部屋、どこでもリラックスできる場所を選んで、
お互いに読み聞かせを行いました。

〈読み合いシート〉
読んでもらった感想や、なぜその本を選んだのかなど、読み合いシートに記入しました。
それをお互いに見せ合い、デスカッションの時間にしました。

今日の研究会では、絵本の読み聞かせの大切さを改めて感じました。
是非、ご家庭でもお子さんと一緒に、ゆったりと絵本にふれあえる時間を作って
親子の絆を深めていただけたら幸いです。